2022年7月8日(現地時間7日)、カナダ・オタワにて、日本スポーツ振興センター(JSC)は、カナダのスポーツ関連機関5団体(オウン・ザ・ポディウム、カナダ・オリンピック委員会、カナダ・パラリンピック委員会、カナダ・オリンピック・パラリンピック・スポーツ研究所ネットワーク、カナダ・コーチング協会)と、日本とカナダ両国間におけるスポーツのさらなる発展に向けた協力体制を構築するため、幅広い分野における包括連携協定覚書を締結しました。
JSCは本協定にもとづき、夏季・冬季オリンピック・パラリンピックスポーツの競技力向上への寄与、スポーツ界における女性リーダー輩出・育成支援、スポーツとSDGsの推進、コーチングなどの領域における連携事業を行うことを目的とし活動を行います。また政府系スポーツ機関として、このユニークな連携協定の枠組みを活用し、より多くの競技団体及び国内スポーツ関係者の方々が協力体制を構築するための支援を行っていきたいと考えています。
◆本連携協定の主な連携領域
• アスリートやチームのトレーニングや競技支援
• アスリートの育成
• コーチ及び技術指導者の育成
• スポーツ指導者・役員・スポーツ関係者の交流プログラム及び訪問
• スポーツ科学及びスポーツ医学関係者のための研修及び情報交換プログラム並びにスポーツ科学の発展における協力
• 安全なスポーツ、スポーツ教育、スポーツマネジメント、スポーツ研究所及びトレーニングセンター分野における研修及び情報交換プログラム
• スポーツ分野における情報及び研究の開発のための技術・インフラ及びプログラムの分野における研修及び情報交換
• スポーツ分析
• オリンピック・パラリンピック競技大会プロジェクト、及び本覚書の枠組みの中で、相互の利益のために適切かつ必要とみなされるその他の分野および題目
調印式は、カナダのオウン・ザ・ポディウムCEOアン・メルクリンガー氏、カナダ・オリンピック委員会スポーツ・システム・エクセレンス部長マーグ・マクレガー氏、カナダ・パラリンピック委員会CEOカレン・オニール氏、スポーツ部長カトリーヌ・ゴスラン=デプレ氏、カナダ・コーチング協会CEOロレーヌ・ラフレニエール氏、カナダ・オリンピック・パラリンピック・スポーツ研究所オンタリオCEOデビー・ロー氏、駐カナダ山野内勘二特命全権大使、JSC芦立理事長、久木留理事らが列席する中で実施しました。
オウン・ザ・ポディウム アン・メルクリンガーCEO(左)
とJSC芦立訓理事長(右)
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調印式参列者による集合写真
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JSC芦立理事長コメント
これまでの関係をより強固で持続可能なものにしていくために、またJSCとしてはじめて複数のカナダのパートナーとユニークな連携協定を締結できたことを非常に嬉しく思います。
カナダは、夏・冬季オリンピック・パラリンピックスポーツの競技力向上や多様なリーダー輩出・育成支援などに関わる様々な領域で世界を牽引しています。
JSCが有する多種多様な機能を活用し、それぞれのカナダのパートナーと包括的な連携領域・活動を推進してまいります。
この連携協定が、情報や知見の交流を通して、組織間、両国間の様々な領域で専門知識と経験の共有を図ることで、更なるスポーツの発展に寄与することを期待します。
カナダ・オウン・ザ・ポディウム アン・メルクリンガー氏コメント
スポーツが世界的に発展することは、全世界、そしてスポーツに取り組む人々にポジティブな影響をもたらします。
カナダのスポーツ関連機関は日本と長年に渡って関係を築いており、東京2020大会に向けても日本スポーツ振興センターとの協力関係の元、様々な利益を得てきました。今回の連携協定の締結により、これまでの関係をより深く、強固なものとし、スポーツが今後の地域社会によりプラスの影響を与えられるよう、専門知識や新たな視点を取り入れ、本協定のターゲットとなるスポーツの分野に注力し、各組織と協力して参ります。
駐カナダ山野内勘二特命全権大使コメント
今回の連携を通して、日本・カナダ両国のスポーツ分野での交流がさらに深まり、日本・カナダの両国の友好が一層深い絆で結ばれることを、大変喜ばしく思います。
◆カナダ各組織概要
オウン・ザ・ポディウム(OWN THE PODIUM)
カナダの非営利法人オウン・ザ・ポディウムは、カナダにより多くのオリンピック・パラリンピックメダルをもたらすことを目的として、技術的リーダーシップ及びガイダンスを国のスポーツ組織に提供する。オウン・ザ・ポディウムは、エビデンスに基づき、専門家主導で、的を絞った、協業的なアプローチを用いて、優先順位をつけた投資戦略を通して、資金提供を提案する。オウン・ザ・ポディウムの最大の資金提供者はカナダ政府であり、カナダ・オリンピック委員会、カナダ・パラリンピック委員会、及び企業のコミュニティからも協力を得ている。
カナダ・オリンピック委員会(CANADIAN OLYMPIC COMMITTEE)
カナダのオリンピック・ムーブメントへの参加のあらゆる側面に責任を負う非営利民間組織。主に下記を事業とする。
・オリンピック、パンアメリカン競技大会及びユースオリンピックへの参加
・夏季・冬季オリンピック及びパンアメリカン競技大会の開催都市となるカナダの都市の選考と支援
・カナダ全国においてオリンピックの価値を推進する幅広い文化・教育プログラムの運営
カナダ・パラリンピック委員会(CANADIAN PARALYMPIC COMMITTEE)
パラリンピック・ムーブメントの強化に貢献する27のスポーツ組織からなる非営利民間組織。カナダパラリンピック委員会の目標は、先進的なパラリンピック国家となることである。同委員会は、カナダにおけるパラリンピック・スポーツ・システムの持続可能な発展を先導し、パラリンピック大会でのメダル獲得を目指す。
カナダ・オリンピック・パラリンピック・スポーツ研究所ネットワーク(CANADIAN OLYMPIC AND PARALYMPIC SPORT INSTITUTE NETWORK)
カナダ全国のエリートアスリートやコーチに世界トップレベルのトレーニング環境を提供する。専門家チームは、スポーツ医科学、コーチング、研究とイノベーション、ゲームプラン・サービスの提供などを通して、カナダがより多くのメダルを獲得できるよう支援している。ネットワークには、5つのカナダ・スポーツ研究所(大西洋、ケベック、オンタリオ、カルガリー、太平洋)及び2つのカナダ・スポーツセンター(サスカチュワン、マニトバ)が含まれる。
カナダ・コーチング協会(COACHING ASSOCIATION OF CANADA)
カナダ・コーチング協会は、コーチのスキルと地位を向上させ、その範囲と影響力を拡大するために、各ステークホルダーや関係者と協力して取り組んでいる。プログラムを通じて、コーチに知識とスキルを与え、倫理を促進し、前向きな姿勢を育て、能力を高め、コーチの信頼性と認知度を向上させることを目的としている。
また、JSC芦立理事長は、同日、在カナダ日本大使館を表敬訪問し、山野内勘二特命全権大使と、日本とカナダのスポーツ分野でのさらなる友好の促進、連携の展望について意見交換を行いました。
山野内大使(右)とJSCの関係者の記念撮影
<在カナダ日本大使館表見訪問時>
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山野内大使(右)、芦立理事長(中央)、
久木留理事(左)<在カナダ日本大使館表敬訪問時>
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【写真協力:在カナダ日本大使館】 |
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