SPORTS JAPAN アンバサダー

活動NO.004-2

SPORTS JAPANアンバサダー活動レポート

ロンドンオリンピック活動レポート

日程:2012/07/23~08/01  場所:ロンドン

アンバサダー:柴田亜衣

 SPORTS JAPANアンバサダーの柴田亜衣です。
 今回のロンドンオリンピックはJAPAN SPORT COUNCILのアンバサダーとして、オリンピック競技やマルチサポート・ハウスの視察などをさせていただきました。選手ではない立場で初めてオリンピックに携わり、感じたことや伝えたいと思ったことを日ごとの活動に沿ってご報告します。みなさんにオリンピックの素晴らしさ、スポーツの力を感じていただけたら幸いです。

●7月23日

ヒースロー空港到着ゲート前  成田空港を出発し、約12時間でロンドン、ヒースロー空港に到着。飛行機を降りてすぐに日本の国旗を頂いて、空港に着いた時からオリンピックを感じることができました。その日は、地下鉄を使って宿泊所に向かいました。ロンドンの地下鉄は日本と似ていて、SuicaのようなICカードを使用して乗車することができます。ICカードをチャージする際、タッチパネルには何か国かの言葉を選べるようになっており、日本語を選ぶことができたのですごく助かりました。駅構内の通路は、乗車用と降車用それぞれ一方通行になっているためぶつかるということはなく混んでいても安全に歩く事ができて良いなと感じました。また、駅の案内板にも、オリンピックの競技会場などがある場所はマーキングがしてあり、とても、わかりやすかったです。

●7月24日

 マルチサポート・ハウスを見学しました。ハウス内には、トレーニングルーム、リカバリー・コンディショニングルーム、リラックススペースなどがありました。私がとても良いなと思ったのは、リカバリーミールホール。日本食が食べられる食堂です。JAPAN SPORT COUNCILが管理・運営している国立スポーツ科学センター(JISS」のレストランと同じ雰囲気で、日本にいるのかと勘違いしてしまうほどでした。試食もさせていただきましたが、味も日本とまったく同じ。オリンピック期間選手は選手村にずっと滞在します。何週間も滞在していると選手村での食事は同じものばかりで飽きてきてしまうこともあります。そんな中、食べ慣れている日本食が食べられるというのは、選手にはとても嬉しいことです。実際に、多くの選手達がハウスで食事をしたそうです。
ロンドンマルチサポート・ハウスの炭酸泉  そしてもう一つは、リカバリープール。炭酸泉といって、疲労回復に最適な温泉が入っているプールがあったり、交代浴といって、温水と冷水に交互に入り筋をリラックスさせたり、血流促進をはかるプールがあります。海外には、バスタブがないこともよくありますので、この温浴施設は、連日試合を重ねる選手には大変ありがたい施設です。
 今回のマルチサポート・ハウスのオープン時間は8時~23時までとなっていて試合後にも使用できる時間ではありましたが、水泳の場合は21時頃まで試合がある日やドーピング検査で遅くなったりする選手もいます。今後、もう少し使用時間が延長できたり、夜遅い中歩いて帰るのは危ないので、選手村までの送迎シャトルバスなどの仕組みも取り入れて頂けると、選手にとってはさらに利用しやすくなるのではないかと思いました。

●7月25日

大英博物館に飾られてるロンドンオリンピック・パラリンピックの金メダルとロンドンオリンピック公式マスコットのウェンロック  この日は、今回のロンドンオリンピック・パラリンピックの金メダルが展示されているということで、大英博物館に行ってきました。メダルはケースの中に飾られていましたが、撮影は自由。また、以前ロンドンで行われたオリンピックの時のメダルやポスターも展示されていました。メダルの周りはたくさんの人で賑わっていました。私も記念撮影をしましたが、本物の金メダルを間近に見る機会はなかなかないので、一般に公開される場があるのはとてもいいなと思いました。ただ、銀メダル、銅メダルも飾られているともっとよかったかなと思いました。
 街の雰囲気は、街中にオリンピックの旗や、色々な国の国旗が飾られていたり、ロンドンオリンピックの公式マスコットのオブジェが色々な格好をして街中にいました。コレクターは、全部のオブジェの前で写真を撮ったりなど、オリンピックならではの楽しみが街中に溢れていました。

●7月26日

ロンドンオリンピック選手村  選手村の見学に行ってきました。選手村は、マンションのような作りで、開催国によってはその場所を、大会終了後に販売し、普通のマンションとして一般の人が住めるようになる場合もあります。ロンドンの選手村は私が今まで経験した選手村とは少し雰囲気が違っていました。日本でいう、大規模なマンションのような雰囲気で、入口が一つありそこから自分達の棟や部屋に行くという感じ。中庭があったりと作りが少し複雑だったようで、迷子になる選手もいるようだという話しも聞きました。私が今まで経験した選手村は日本で言う「団地」という雰囲気で、共通の階段が1つで、階ごとに部屋が2つあり、建物もわかりやすかったので迷うことはありませんでした。選手に負担のないような造りにすることも考えなくてはいけないのではと思いました。
 また、選手村には娯楽施設もあり、バー(お酒は禁止なのでジュースしかありません)や、ゲームができるスペースがあります。選手は、常に精神状態が試合の時のスイッチオンのままでいるのは厳しいです。こういった息抜きで、心をオフにできるスペースも選手村には必要だと思いました。

●7月27日

ジャパンハウスの会見場  開会式の日。ジャパンハウスの見学に行ってきました。ジャパンハウスは、選手村の外にある日本オリンピック委員会(JOC)の本部です。現地の日本人の方々にお声かけして、パブリックビューイングを行ったり、コーチや選手、関係者の方々へのホスピタリティーサービスをする場所です。今回はそれに加え、2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致活動の拠点にもなっていました。
 ハウスでは、メダリスト達が会見をする場所があり、メダルを獲得した翌日に選手が来て会見を開くそうです。そこで、色々な事を語り、その情報が日本に流れてくるんですね。また、2020年東京オリンピック・パラリンピックの資料もあり、海外の方々を招待して説明をされていました。オリンピックを開催している間に、次のオリンピックの事を考えられるのは、色々な場所や施設などとリンクさせることができるのでとてもいい機会だと思いました。

●7月28日

 この日は、IBC(国際放送センター)で2020年東京オリンピック・パラリンピック招致活動が行われました。招致活動は、招致委員会をはじめ、JOCやJAPAN SPORT COUNCILなど様々な機関が連携し進めています。みなさん「東京でオリンピック・パラリンピックを!」という気持ちは1つです。今後、より連携し協力し合い、色々な現場の意見を集約し、スポーツの更なる発展につながるような招致活動が行われることを期待しています。私もオリンピアン代表として、今後も様々な形で招致活動に協力できればと思っています。

日本語で案内をしてくれる学生ボランティアと  ちなみに、宿泊したのは大学の寮だったのですが、この大学で日本語の勉強をしている学生さんがボランティアで、部屋まで案内してくれたり、困ったことがあると通訳をしてくれたり、英語が苦手な私でも安心して宿泊でき、ホスピタリティが素晴らしいと思いました。直接、競技に関わらないところでもオリンピックを応援し、支えている人たちの温かさを感じました。また、彼らにオリンピックの生中継などを見ることができるサイトがあることを教えてもらいました。そういったことも、オリンピック期間に開催している国に来た方々全てに伝えられるように、空港や駅などでURL付きの紙を配るなどをすると、色々な方々に見てもらう事ができ、オリンピックに関心を持ってもらうきっかけ作りにもなるのかなと思いました。

●7月29日

柔道会場の入場広場にて  柔道女子52キロ級・男子66キロ級の試合を観に行きました。柔道会場に行く電車が、停まっていました。よく停まるそうなのですが、いつ動くかわからないと…。そこで、ルートを変えて向かいました。柔道会場に入る前にはセキュリティーゲートがたくさんあり、すいている所に案内をしてくれるボランティアもいて、スムーズに入る事ができました。また、過去大会優勝者の写真パネルが飾られていたり、柔道着がかざられていたり、柔道の歴史がわかるようになっていました。会場に入る前の楽しみ方も考えられているのは、会場に観戦に来る方々にメッセージとなるので、とてもいいなと思いました。
 試合会場は、選手達との距離が近く、おそらく応援している声は選手には届いていると思います。そんな声を直接聞きながら試合ができるのは、選手には必ず力になると思います。

●7月30日

競泳会場客席にて  午前中にJAPAN SPORT COUNCILロンドン事務所へ行きました。ロンドン事務所にいる方々は、各競技団体と連携し、ロンドンでの練習場所確保や日本選手団が安心してオリンピックを迎えられるよう現地でご尽力されていた方々です。また、マルチサポート・ハウスの設置・運営にも携わっています。皆さんは、選手達が最高のパフォーマンスができるよう、日本にいる方々と連絡を取り合い、ミーティング等を重ねてきました。実際、オリンピック期間中なので、1か月程度しか開場されないマルチサポート・ハウスですが、何年も前からプロジェクトは動きだし進んできました。やはり、外国なので日本では当たり前のことでさえままならない事や大変な事はたくさんあったそうですが、選手達のためという熱い気持ちで、身体を動かし頑張ってきたそうです。こういった陰でサポートしてくれている人たちもいることを知ることができ、改めてオリンピックに出て試合をするということは、自分一人の力だけではないんだなと痛感しました。
 午後は競泳を観に行きました。席は、上の階で、階段をひたすら登っていきました。お年寄りの方々が上の方の席だと大変だなと思ったので、1つ位エレベーターをつけてもいいのかなと思いました。また、上の方だと、反対側のプールサイドが全く見えないのは残念でした。電光掲示板も見づらかったです。もっと、すべての観客の人たちが一体となって、試合を観て盛り上がれるようにしてほしかったなと感じました。
 観戦した日は、日本選手が3人連続で銅メダルを獲得した日だったので、かなり興奮しました。また、興奮と同時に「オリンピックの舞台で泳ぎたい」と思いました。現役復帰をしたいというのではなく、小さい頃にオリンピックをテレビでみて「オリンピックにでてみたい」と思った感覚と同じような気持ちになりました。オリンピックが子ども達に夢をあたえる、という事はこういう事なのかなと実感しました。

●7月31日

ウェンブリースタジアム客席にて  サッカーの聖地「ウェンブリースタジアム」に行って来ました。最大で9万人ほどの集客ができるそうです。入場する時は、チケットを自分で機械にあて、荷物を持ったままセキュリティーゲートを通ります。その先で、金属探知機を持った人が、一人ずつ検査していくというものでした。会場はかなり広かったですが、私が入ったゲートでは、途中までエスカレーターで登る事ができたので楽でした。会場が、大きくなればなるほど、上にも高くなるので、エスカレーターやエレベーターは必須だなと思いました。屋根があったので、雨の日でも濡れない席があるのはいいなと思いました。ただ、時計がどこにもなく、時間がどのくらい進んでいるかがわかりにくかったのは意外でした。(もしかしたら時計はあったのかもしれませんが、私には見つけられませんでした)
 また、競技場までの最寄り駅は1つで、駅を降りてからも道が1本だったので、帰りは規制を行いやすいようになっていました。何か所かで、一度人を停めて電車がでたら流して、というように何万人のもお客さんがいても混乱する事はありませんでした。国立競技場は、いくつか駅があるので大丈夫かもしれませんが、大きな道を作って、入退場しやすいルートを確保することも必要なのではないかと思いました。

●8月1日

ヒースロー空港出発ゲート前  この日は午後の便で帰国です。空港内は広く、お土産を買い忘れていても空港で補える、という感じがしました。オリンピックの公式グッズももちろんあり、空港でもお買い物を楽しめると思いました。選手達は、あまり街にでてお土産を買う時間もないと思うので、選手達も助かるのではと感じました。

●最後に

 日本に帰ってきてからもオリンピックは毎日見ていました。やはり選手達が一生懸命な姿、全力を出す姿は感動します。その姿を見て、私も頑張ろう!!と純粋に思いました。また、応援をしているとまるで本人かのように喜んだり、悔しがったりしている自分がいました。きっと、これがスポーツの力なんだと思います。何かに一生懸命になって、喜んだり、悔しがったり、うれし泣きをしたり、悔し泣きをしたり、自分の素直な感情を表にだすこともできます。こういった、スポーツの素晴らしさをSPORTS JAPANアンバサダーとして、日本中に広めていければいいなと思っています。

SPORTS JAPANアンバサダー活動INDEXへ戻る
 

ページトップへ戻る