JAPAN SPORT COUNCILでは、文部科学省の委託事業として『マルチサポート事業』を実施しています。マルチサポート事業は、第31回オリンピック競技大会(リオデジャネイロ)においてより多くのメダルを獲得し、我が国の国際競技力向上に貢献することを目的としています。
今回の初動研修会ではこのマルチサポート事業にこれから関わる新規スタッフを対象に、高い目標に向かい、成果を追及していける「チーム」になることを目的に6日間の日程で開催され、研修は下記の2つのプログラムに分けて行いました。
①事業特化プログラム
マルチサポート事業の背景・方針等を共有し、意見交換をすることで、皆が同じ方向を目指し、業務を開始すること。また、コーチや選手の視点やサポート事例を学ぶことで、担当競技サポートの質の向上を図ること。
②スポーツ応用プログラム
スポーツ、オリンピック・パラリンピック、行政、国際社会、競技団体、民間活動等の多角的な視点に触れることを通して、社会におけるスポーツの価値やその中での事業や自身の意義や役割を改めて考えること。
大日方さんと朝原さんには①事業特化プログラムの1つである「選手の目線~選手の感覚とサポートスタッフに求めること~」の講師として、池田めぐみさん(フェンシング元日本代表)との対談形式でご参加いただき、大日方さん、朝原さんが現役時代を振り返り、選手とサポートスタッフが目指すべき距離感や関係性についてアドバイスをいただきました。
【朝原さんのお話】
「北京オリンピックのとき、分析や検証のマルチサポートを受けていた。担当者からのフィードバックがとても早く、またわかりやすく説明してもらったので、大変役に立ち、ありがたかった。
選手によって、何が必要で何が役立つかは異なる。トレーニング方法も時代によりどんどん変化している。いろいろな種類のサポートを試みて、効果的であれば更に追求し、ダメな場合は勇気を持って撤退して欲しい。また、アイディアやヒントは他競技から学べることも多いので、サポートスタッフは横の連携を大切にして、選手やコーチに提案してもらえたらいいと思う。
また、サポートスタッフには高度な専門性が求められることはもちろんであるが、その以前に良い人間関係を築くことが大事だと思う。現場の人間関係がより良いパフォーマンスにつながることは間違いない。選手、コーチ、サポートスタッフみんなで信頼し合えるチームを作っていけるよう頑張って欲しい。」と、参加者にエールを送られました。