ブックタイトルHealth Management for Female Athletes
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Health Management for Female Athletes
エネルギー不足による無月経の基本的な考え方食事量(エネルギー摂取量)を増やすまたは/かつ運動量(エネルギー消費量)を減らす特に,トレーニング量が多い日本人のアスリートは,それに見合ったエネルギー源の糖質を不足なくとる必要があります.図74を使って,1日の糖質の摂取目安量を概算し,表28を使ってどの食品をどれくらいとったらよいかを計画してみましょう.また,無月経の女性アスリートは骨量が減少するリスクが高いので,骨を作っているカルシウム(表29)とカルシウムの吸収を高めるビタミンDを多く含む食品を食事に取りいれて不足しないように心がけましょう.ビタミンDは魚類,きのこ類などに多く含まれています.糖質の摂取量を増やせばエネルギー摂取量も増えるため,体重やBMIは増加することが考えられます.アメリカスポーツ医学会や国際オリンピック委員会ではエネルギー摂取量を増加させ,正常月経が保てる体重もしくはBMIまで増加させることを目標としていますが,競技種目によってはパフォーマンス向上のために減量を余儀なくされ,体重増加が難しいことが多々あります.また,無月経であってもBMIが18.5kg/m2を超えている場合もある点から,人種や体格の異なる海外の指針をそのまま日本人女性アスリートに適用するには注意が必要であると考えられます.さらに,過度な間違った減量方法が原因でエネルギー不足に陥っている女性アスリートは,食事に対する正しい知識がない,誤った食品イメージ,指導者からのプレッシャーなどさまざまな問題を抱えていることが多いので73),女性アスリートをとりまく生活・社会環境をよく把握したうえで食事の改善方法を考えていくことが必要です.実際にエネルギー摂取量や糖質量をどれくらい増やしていくかは産婦人科医と公認スポーツ栄養士の連携のもと,公認スポーツ栄養士による栄養アセスメントやモニタリングで身体状況を確認しながら,女性アスリート個々に対応していくことが大切です.126