ブックタイトルHealth Management for Female Athletes
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Health Management for Female Athletes
おらず,海外のガイドラインでも推奨されていません.また,エネルギー不足による無月経のアスリートに対し低用量ピルが推奨されない理由として下記の点が挙げられます.1脳からのホルモン分泌がさらに抑えられてしまうこと2黄体化ホルモンが抑制されるためエネルギー不足の治療の指標がなくなること3体重増加,コンディションが悪いなど,副作用が前面に出るケースが多いこと4骨密度には,経皮投与が有効である報告が多いことこのため,保険適用が認められていない薬剤もありますが,アスリートにエストロゲンによるホルモン療法を行う場合は,更年期障害で使用されるような経皮エストラジオール製剤を使用し治療を行っています.引き続き検討が必要ですが,経皮投与のメリットとして下記が考えられます.1体重増加がみられにくく,コンディションへの影響が少ない(まれに体重を絞りにくい選手がいます)2ホルモン療法を行いながら,エネルギー不足による黄体化ホルモンの回復を把握できる3エストラジオール値を数値化できる経皮エストラジオール製剤にはパッチ剤やジェル剤があり,これらの薬剤を数カ月連日投与しています.また,この経皮エストラジオール製剤を使用しているだけでは月経はこないため,試合や練習日程を考慮して7日間ほどプロゲスチン製剤の経口投与を併用し,周期的な消退出血(薬を使用中止後にみられる出血)を起こしています.ただし,プロゲスチン製剤服用時にだるさや眠気を訴えるアスリートもみられるため,競技日程などを十分考慮したうえでの投与スケジュールが重要です.また,薬物療法使用後にみられる消退出血がくると安心するアスリートが多くみられますが,この治療は定期的な消退出血を起こすことが目的ではなく,エストロゲンを補充している期間が重要となります.また,塗り薬使用中の不正出血を月経と思って治療を中断する選手もいますが,これ132