ブックタイトルHealth Management for Female Athletes

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概要

Health Management for Female Athletes

3 -1一時的な調節法(次回の月経をずらす方法)対象例・毎月ではないが,時々月経痛がある・月経前,コンディションが悪くなる・月経周期の中でコンディションが良い時期に試合がくるようにしたい・月経と試合が重なるのを避けたい(ユニフォームの問題など)などここでは次回の月経をずらす方法について解説します.月経をずらす方法には月経を早める方法(短縮法)と遅らせる方法(延長法)がありますが,アスリートでは早める方法をとることが多いです.これは,遅らせる方法では試合中にホルモン剤を服用するスケジュールとなることが多く,身体が重いなどのコンディションの変化を感じるアスリートがみられること,また,月経周期の中で最もコンディションの良い時期は,月経終了直後から数日後であると感じているアスリートが多いためです.この場合,一般的に中用量ピルというホルモン剤を使用します.ピルの基礎知識や副作用については,4-2低用量ピル(p42)を参照してください.以下,具体的な使用例を紹介します.ケース1:月経を早める方法(短縮法)次回の月経を早める方法についてです.月経痛や月経前の体調不良などに対し,月経周期を調節する(月経をずらす)ことで対策をとることが可能です.この場合,月経周期の中でコンディションが良いと感じている時期があるアスリートでは,この時期に試合がくるように調節することが重要となります.・服用スケジュール例(図16)1/1から自然の月経がみられ,次回は1/29から月経がくる予定とします.しかし,1/30,1/31に重要な試合があり月経が重なってしまうというケースです.33