ブックタイトルHealth Management for Female Athletes
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Health Management for Female Athletes
d.低用量ピルの働き低用量ピルを服用すると,ホルモンはどのように変化するのでしょうか?図21を見ながら考えてみましょう.エストロゲンとプロゲスチンを含む低用量ピルを服用することにより「身体の中にホルモンが十分あるためこれ以上ホルモンを分泌しなくてもよい」と判断し,下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)が低下します(1).このため,卵巣での卵胞の成熟が抑えられ,卵巣から分泌されるエストロゲンが低下します(2).この結果,排卵が起こらなくなるため,排卵後に分泌されるプロゲステロンも分泌されなくなります(2).このように,低用量ピル服用により自分の卵巣から分泌されるエストロゲンやプロゲステロンが分泌されなくなります.エストロゲンとプロゲステロンが低下することにより子宮内膜が薄くなるため(3)月経量が減ったり(4),機能性月経困難症の原因物質であるプロスタグランジンの産生が低下するため,月経困難症の症状の改善(5)につながります.また,月経前症候群の主な原因は,排卵後に分泌されるプロゲステロンが関与していると考えられており,低用量ピル服用により排卵が抑制されるためプロゲステロンが分泌されず,月経前症候群の改善(6)にもつながります.e.低用量ピルの服用法低用量ピルを初めて服用する時は,自然にきた月経の1日目から服用を開始します.できるだけ毎日一定の時刻に服用します.さまざまなタイプの低用量ピルがありますが,21日分が1シートになっている低用量ピルでは,「21日間服用→7日間服用しない→21日間服用→7日間服用しない」を繰り返していきます(図22).薬の服用中止後2~3日目に月経がくるため,服用していないこの7日間に月経がくることになります.また,7日間服用しない時期に偽薬(薬の成分が含まれていない錠剤)を服用するタイプのものもあります.月経がくる時期に試合がある場合は,服用を少し早くやめると月経を早く起こすことができ,逆に21日間以上延長して服用すると月経を遅ら45