ブックタイトルHealth Management for Female Athletes
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Health Management for Female Athletes
a. MDQスコア質問紙である月経随伴症状日本語版(Menstrual Distress Questionnaire;MDQ)を用いて,低用量ピル服用に伴う月経随伴症状の変化を評価しました.そのうち代表的なA選手について,頭痛,下腹部痛,腰痛,疲れやすいなどを合計した「痛み」のスコアと,体重が増えてくる,肌が荒れる,乳房痛,むくみがあるなどを合計した「水分貯留」の2つのスコアの変化を示します.痛み水分貯留低用量ピル服用期低用量ピル服用期図24低用量ピル服用に伴うMDQスコアの変化(A選手)pg/mL40血中30リラキ20シン-210p<0.0001p<0.0007p<0.0001 p<0.0040A選手は,月経痛や月経前症候群の症状が強く低用量ピル服用による治療N=183を開始したアスリートですが,痛みのスコアは月経期に比べ,低用量ピル服用開始後の消退出血期(休薬期間にくる月経)に低下しています.また,水分貯留についても,月経期および黄体期に高かったスコアが低用量ピル服用期には低下し,それぞれ症状の改善が認められました.b.体組成0卵胞期72名排卵期25名黄体期57名無月経13名低用量ピル服用16名自然月経周期の卵胞期,黄体期,低用量ピル服用開始約2カ月後の低用量ピル服用期,消退出血期の4つの時期にBODPOD(空気置換法)を用いて14名のアスリートの体重,体脂肪率を測定しました.その結果,低用量ピル服用に伴う体重や体脂肪率の増加は認められませんでした(表10).また,BLS(Body Line Scanner)を用いて全身の周囲径についても測定した結果,これらも低用量ピル服用に伴う変化は認められませんでした(表11).52