ブックタイトルHealth Management for Female Athletes

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概要

Health Management for Female Athletes

る」としています13).また,海外では?瘡(にきび)の治療として使用する場合は14歳以上,月経前不快気分障害(PMDD)で使用する場合は18歳以上から対象となっています13).6 - 8低用量ピルを中止した後,妊娠できますか?アスリートの低用量ピルに対するイメージを聞くと,「将来妊娠できなくなる薬」という回答がとても多くみられます.これまでアスリートの無月経に対する治療指針がなく,無月経の治療として低用量ピルが多く使用されてきたことが,この誤解と関連している印象を受けます.アスリートに多くみられる運動性無月経は,「運動によるエネルギー消費量に見合ったエネルギー摂取量が確保されていないこと」が原因となります.このため,治療の大原則はこのエネルギー不足の改善となります(p81 ? p82参照).無月経の治療として低用量ピルを服用していたアスリートにおいても,この「エネルギー不足」が改善されていなければ服用中止後も月経の再開がみられません.このようなケースで,「低用量ピルを服用していたために月経がこなくなった」と誤解を受けていることが多いように思います.低用量ピル服用中止後の排卵回復を基礎体温で調べてみると,一相性の低用量ピルでは,服用中止3カ月以内に98.3%の女性で排卵が確認されていたとの報告や,中止後の初回自然月経では88.2%で排卵回復がみられたことも報告されています.この報告からもわかるように,低用量ピルは「将来妊娠できなくなる薬」ではありません.75