ブックタイトルHealth Management for Female Athletes
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Health Management for Female Athletes
きます52).また,内分泌系の調節機能が低下すると,食欲の調節がうまくいかずエネルギーバランスが崩れる可能性も考えられます.毎日長時間のトレーニングを行っているにもかかわらず,それに見合った食事(エネルギー)を摂らないと「エネルギー不足」の状態に陥ります.長期間エネルギー不足が続くことによって,グレリンやレプチンといった食欲調節ホルモンの分泌バランスが崩れます.さらに,視床下部での性ホルモンの分泌調節機能が低下し,無月経や骨粗鬆症が引き起こされます52).では,無月経になると身体やパフォーマンスにどのような影響がでてくるのでしょうか?a.トレーニング効果運動をすると,心拍数や呼吸数が増加します.これは,運動中は安静時に比べて筋肉が酸素をより多く必要とするため,それにともなって呼吸循環器系のはたらきが高まるからです.また,筋力トレーニングで重い負荷を持ち上げようとした場合,脳から神経を介して筋肉に刺激が送られるため,多くの筋線維が活動して大きな力を発揮します.このような運動時の器官・組織の活動の高まりは,運動を終了してしばらくするともとの状態に戻ります.ところが,それを規則的,周期的にくり返していると,からだの器官や組織はより高い機能をもつようになります.このように,強い運動負荷がかかった状態に対応できるように,からだの機能が変化することを‘適応’といいます.運動によって,からだの適応を効果的に引きだす意図的な行為がトレーニングであり,機能的および形態的変化のことを‘トレーニング効果’といいます.したがって,運動パフォーマンスを向上させるためには,継続的に運動に取り組まなければなりません(図52).(1)アナボリックホルモンへの影響アナボリックホルモンとは,タンパク質同化作用を持つホルモンの総称であり,骨形成や全身的な筋量・筋力の機能的パフォーマンス向上と関連していることが知られています53).大学生女性アスリートを対象に安静時の血中95