平成25年度 妊娠期、子育て期の女性アスリートのためのワークショップ

「競技現場の託児室に関するワークショップ」と「妊娠期の運動・トレーニングに関するワークショップ」

アスリートが出産・育児をしながら競技を継続する為には、周囲のサポートだけではなく、ベビーシッターや託児室等の環境整備も不可欠です。本事業では「妊娠期、子育て期の女性アスリートのためのワークショップ」を開催し、競技現場における託児室の活用事例や、妊娠期のトレーニングに関する情報提供を行うことで、アスリート、指導者及び競技団体の理解促進を図りました。
今年度のワークショップでは、「競技現場の託児室に関するワークショップ」と「妊娠期の運動・トレーニングに関するワークショップ」が開催されました。

競技現場の託児室に関するワークショップ

競技会場における託児室の設置と運用(公財)日本セーリング連盟 副会長 中川千鶴子氏

(公財)日本セーリング連盟 副会長 中川千鶴子氏

(公財)日本セーリング連盟では、2002年の国民体育大会から競技会場においてチャイルドルームを設置し、選手や競技役員などの乳幼児の託児を行っています。講演では、チャイルドルーム設置のきっかけと成り立ち、そして運用の実際をお話頂きました。子連れで参加しても安心して競技が行える環境があれば、競技の普及にも役立つのではないかなど、今後の展望についてのお話もありました。

ナショナルトレーニングセンター託児室の現状JISS 研究・支援協力課 係長 荒井紫穂

JISS 研究・支援協力課 係長 荒井紫穂

JISSでは、2012年度からJISSとナショナルトレーニングセンター(NTC)を利用する女性アスリートと女性アスリートを支えるスタッフのために、NTCアスリートヴィレッジ内に託児室を設置しています。今回は立ち上げまでの経過と現状を説明しました。少しずつ事例を積み上げて課題を解決していくことで、運用を軌道に乗せたいとの話がありました。

ナショナルトレーニングセンター託児室利用者の意見フェンシング ロンドンオリンピック代表選手 佐藤希望氏

フェンシング ロンドンオリンピック代表選手 佐藤希望氏

佐藤選手は現在、子育て中(生後7ヶ月)のアスリートです。競技復帰に向けた活動の中で、お子さんと一緒にJISSに宿泊されたり、NTC託児室を利用されています。その際の感想やご意見をいただきました。また、NTCに託児室が設置されたことが、競技復帰への後押しとなったことなどについてお話がありました。

妊娠期の運動・トレーニングに関するワークショップ

妊娠期におけるトレーニング ~受け入れに向けてのJISSの準備状況~JISSトレーニング指導主任専門職 田村尚之

JISSトレーニング指導主任専門職 田村尚之

近年の女性アスリートの活躍には目を見張るものがあり、競技年齢が伸びているのも周知の事実です。それに伴って今後増える可能性のある妊娠期のアスリートに対して、JISSトレーニング体育館がどのように支援できるのか、その取り組みを始めた経緯とその後の経過が紹介されました。

わたしの経験フリースタイルスキー ソチオリンピック代表選手 三星マナミ氏

フリースタイルスキー ソチオリンピック代表選手 三星マナミ氏

三星選手は子育てと競技生活を両立しながらソチオリンピック出場を果たされました。妊娠期はトレーナーによるトレーニングサポートを受けながら、トレーニングを継続されたそうです。バランスボールやマシンを使用したトレーニングなど、妊娠期に実際に行っていたプログラムをご紹介していただきました。

今後の展望筑波大学 体育系 教授 本間三和子氏

筑波大学 体育系 教授 本間三和子氏

本事業が抱える当面の課題や今後の展望ついて、ご意見をいただきました。子育て支援はアスリートの為の支援ではあるが、「子供の為にそれがどのような意味をもつのか」という視点を持たなくてはいけないなど、貴重なご意見をいただきました。

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