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2024年03月22日
「バーチャルスポーツフォーラム」開催
独立行政法人日本スポーツ振興センター・ハイパフォーマンススポーツセンター(JSC)は、2024年3月19日、令和5年度スポーツ庁委託事業「スポーツ支援強靭化のための基盤整備事業」におけるeスポーツ及びバーチャルスポーツ等の国際的な動向に関する調査研究の一環として、「バーチャルスポーツフォーラム」を開催しました。 近年バーチャルスポーツを取り巻く環境は目覚ましく進展しています。本フォーラムでは、「バーチャルスポーツの可能性を探る」をテーマに当該分野に関わる国内外の関係者を招聘し、国際競技団体、諸外国、ゲームパブリッシャーにおける取組の現状等の紹介やパネルディスカッションを通じて、それぞれの立場から多角的な視点で世界におけるバーチャルスポーツの最新動向に関する情報や先進事例を共有するとともに、国際的な潮流・方向性に関する理解促進を図ることを目的としました。出席者は、競技団体、国内スポーツ関係団体、大規模スポーツイベント主催者等の関係者を含め80名以上が参加しました。
冒頭、室伏広治スポーツ庁長官の開会挨拶に続き、国際オリンピック委員会(IOC)のスポーツディレクター、キット・マッコーネル氏はオンライン登壇を通して、本フォーラムの実現を祝うとともに、IOCのバーチャルスポーツやEスポーツに関する最新情報を提供しました。
また、会場内にはバーチャルローイング体験コーナーやJSCの研究調査発表ポスターが展示されていました。
バーチャルスポーツフォーラム 概要 1 主催 独立行政法人日本スポーツ振興センター 2 日時 令和6年3月19日(火)13:00~17:00(受付開始:12:30) 3 場所 JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE 14階 岸清一メモリアルルーム 4 登壇者及び発表内容 第1部:世界におけるバーチャルスポーツの最新動向 JSC研究調査報告 国際情報戦略部の坂田博史先任研究員より、世界におけるバーチャルスポーツの最新動向に関する研究調査やワールドローイングとの国際共同研究に関する取組について発表しました。 国際競技団体の取組 ワールドローイングのジャン=クリストフ・ロラン会長より、国際競技団体としてのバーチャルスポーツの取組状況や今後の戦略計画・方向性について発表しました。
第2部:諸外国やゲームパブリッシャーの先進事例 スポーツシンガポールの取組 スポーツシンガポールの産業開発・技術イノベーショングループ・チーフであるロイ・テオ氏は、昨年6月成功裏に終わった第一回オリンピックEスポーツウィーク2023の総括と国家戦略としてのバーチャルスポーツ推進について発表しました。 クイーンズランド工科大学の取組 クイーンズランド工科大学のスポーツディレクターを務めるエミリー・ローズモンド氏は、ブリスベン2023大会を見据えた取組事例として、昨年開設されたバーチャル・サイクリング・センターを活用したリアルとバーチャルの融合の可能性について発表しました。 ゲームパブリッシャーの取組 (株)コナミデジタルエンタテインメントの執行役員の石原靖士氏は、ゲームパブリッシャーの役割と、KONAMIと世界野球ソフトボール連盟(WBSC)との最新の連携事業について発表しました。 第3部:パネルディスカッション:「2032年ブリスベン大会を見据えたバーチャルスポーツの可能性を探る」 本パネルディスカッションでは、バーチャルスポーツの可能性に焦点を当て、登壇者がそれぞれの取組や活動における様々な経験や実践に基づく重要な知見を共有しました。本フォーラムを通じて、国内関係者がバーチャルスポーツに関して国際的な動向を的確に把握することや国内での普及・推進につながりました。
主な登壇者からのコメント: ワールドローイング会長 ジャン=クリストフ・ロラン氏 バーチャルスポーツには計り知れない大きな可能性があり、新しいテクノロジーによって、より多くの人々をスポーツにつなげることができます。バーチャルスポーツは、身体運動と身体活動に関するもので、人々がどこにいてもつながり、競い合い、つながりながらスポーツをすることを可能にします。私はバーチャルスポーツ、特にこの領域に完全に合致するローイング競技に期待しています。 バーチャルスポーツフォーラムは大成功を収め、参加者の皆さんにバーチャルスポーツとその未来の可能性について知っていただけたと思います。JSCに感謝と御礼を申し上げるとともに、JSCと共にバーチャルスポーツの未来に最善を尽くしていきたいと存じます。 スポーツシンガポール 産業開発・技術イノベーショングループ・チーフ ロイ・テオ氏 アスリートをトレーニングするためであれ、人びとにもっと活動的になるよう促すためであれ、スポーツ観戦にファンを巻き込む革新的な方法を見つけるためであれ、スポーツをより持続可能なものにするためであれ、バーチャルスポーツを利用する方法はたくさんあります。この分野には大きなチャンスがあると考えております。バーチャルスポーツフォーラムは素晴らしく、多くの専門知識を持った参加者・登壇者が集まりました。私は自分の知見を共有する機会を持つことができ嬉しく思います。 クイーンズランド工科大学 スポーツディレクター エミリー・ローズモンド氏 私は、バーチャルスポーツの大きな可能性に胸を膨らませています。コミュニティへの参加要素や、特に科学技術分野においては、刺激となり成長を促すことが期待されています。バーチャルスポーツが提供できる教育効果について考えていただきたいと思います。バーチャルスポーツに応用された教育の伝達性は非常に強力であり、イノベーションとテクノロジーを通して、世界的な課題の解決に貢献することができると思います。バーチャルスポーツフォーラムは素晴らしいイベントでした。私にとっても、オーストラリアにとっても、このイベントに参加できたことを嬉しく思います。日本とバーチャルスポーツの今後の展開を楽しみにしています。 (株)コナミデジタルエンタテインメント 執行役員 石原 靖士氏 本フォーラムにおいて分かったことは、改めて、ゲームパブリッシャーのみではなく、スポーツ界の様々なステークホルダーの皆様がバーチャルスポーツを一緒になって推進していることです。決して1ゲームパブリッシャーや1スポーツ団体の取組ではなく、スポーツ界全体に様々な影響を与えるムーブメントの可能性がある事を感じることができました。 我々はバーチャルスポーツやeスポーツを長年に渡り取り組んで参りました。その中で、アスリートやプレーヤーの活躍するシーンをどれくらい作れるかを重要視しています。本フォーラムで、少しでも彼らの活躍が発信でき、そして彼らをサポートしてくれる人たちが増えることに繋がれば幸いです。 (独) 日本スポーツ振興センター理事 久木留 毅 JSCでは、バーチャルスポーツを取り巻く様々な動きが加速度的に進んでいることを踏まえ、JSCの海外ネットワークの活用を通して、国際情報収集や最新動向調査を拡充し、広範かつ積極的に取組んでいきたいと考えております。また、ワールドローイングとのバーチャルスポーツ分野に関連する国際共同研究を推進し、それらの成果を競技力向上のみならずライフパフォーマンス向上へ活用・応用することで、スポーツ振興と活力ある多様な国際社会の発展に貢献するために主導的な役割を果たしたいと思います。
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