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投稿者:
host
2014/02/08 16:05
独立行政法人日本スポーツ振興センター 国立競技場場付主幹
2001年10月~2002年3月 JISS運営部事業第一課
2002年 4月~2003年9月 JISS運営部管理課
2003年10月~2005年9月 JISS運営部施設管理課
2005年10月~2006年9月 JISS運営部サービス事業課
2006年10月~2008年3月 NTC設置準備室
2008年 4月~2012年9月 JISS運営部施設管理課
2012年10月~2013年6月 JISS運営部事業課
私は、2013年7月1日にJISS・NTC運営部事業課から、国立競技場へ異動になり約半年になります。
皆様もご存知のとおり、アルゼンチンのブエノスアイレスでのIOC(国際オリンピック委員会)総会で、2013年9月7日に2020年の夏季オリンピック・パラリンピックが56年ぶりに東京に決定しました。そのメイン会場として、国立競技場が脚光をあびることになりました。また、オリンピックの1年前の2019年のラグビーワールドカップの主会場として、新国立競技場の建設計画が進められています。
現在の私の業務は、新国立競技場建設に関連して、現在の国立競技場の解体、日本スポーツ振興センター(JSC)本部庁舎の解体に伴う仮設庁舎の建設および平成24年度補正並びに平成25年度施設整備工事等に関わらせていただいております。
現在の職場は、国立競技場の建物が解体されるため、現員の補充がままならず縮小の一途をたどっているようで、業務量としては、一人で賄いきれないほどです。これは、どこの職場も同じかもしれませんが、非常に厳しい状態となっています。
2. なぜ日本スポーツ振興センターで働こうと思ったか |
私が、日本スポーツ振興センターの前身である国立競技場に就職したのは、35年以上も昔の昭和53年4月でした。なぜ国立競技場だったのかと考えると、スポーツや芸術に関係したところを探していた時に、求人案内にあった「国立競技場」という文字を目にしました。第18回オリンピック東京大会が開催されたのが、1964年の秋で、当時私は7歳でした。テレビで見たオリンピックの入場行進、最終聖火ランナーの聖火台に点灯する姿、青空に描かれた五輪のマーク、天皇陛下の開会の宣言等々記憶に残っている数々のシーンが、国立競技場で働きたいという強い思いとなったように記憶しています。
入社当時は、現在の本部庁舎の位置に、鉄筋コンクリート造2階建ての庁舎があり、総務部施設課に配属されました。総務部は、総務課、人事課、会計課と昭和53年度から始まった国立霞ヶ丘競技場の施設整備工事のために新しくできた施設課の四つの課で組織されていました。
3. JISSでの業務内容とJISSで心に残っているもの |
スポーツ科学・医学・情報の総合的研究を行い、我が国のスポーツの国際競技力向上に寄与することを目的として、国立スポーツ科学センター(JISS)が平成13年4月に設置され、10月の開所と同時に国立競技場からJISSの運営部事業第一課に異動してきました。
JISSでの最初の仕事は見学者の案内でした。浅見初代センター長の説明で館内を案内する役目でしたが、私もJISSの建物を見るのは初めてなので、案内するどころではありませんでした。センター長には申し訳ありませんでしたが、見学者に紛れてセンター長の説明を聞いて館内を見学させてもらいました。
最初の配属先となった事業第一課は、各研究部との連携・調整、JISS各施設の利用申込・受付、低酸素合宿室の利用・受付を行うところでした。
事業第一課を半年で異動となり、平成14年4月に運営部管理課に移りました。管理課での仕事は、JISS本館、JISS設備棟、西が丘サッカー場、東西庭球場、運動場及び戸田艇庫等の保守管理及び整備の企画及び立案に関する業務で、言わば裏方としてJISSの施設・設備全般に関わる重要な仕事を行うところです。
平成15年10月の独立行政法人日本スポーツ振興センター(NAASH)の設立を経て、ナショナルトレーニングセンター(NTC)設置準備室が設置されることに伴う組織の変更があり、平成17年10月運営部サービス事業課(事業課と管理課が統合)に異動するまでの3年半を管理課にお世話になりました。平成18年10月にナショナルトレーニングセンター(NTC)設置準備室に移動するまでの1年間をサービス事業課で施設管理課係として過ごし、平成20年4月にNTCが完成したことにより、国立スポーツ科学センター・ナショナルトレーニングセンター運営部施設管理課に戻りました。そして、平成25年7月に国立競技場へ異動するまで、実に11年9ヶ月の長きに渡りJISS・NTCで働くことができ、その間JISS科学・医学・情報研究部が主催するスポーツ科学会議の会場設営(JISS3階研究体育館)、NTC中核拠点施設の建設(陸上トレーニング場、屋内トレーニング施設、アスリートヴィレッジ等)、JISS施設改修工事(シンクロプール、フェンシング場、リハビリテーション、スプリンクラー設置等)、MRI・CTの更新、アーチェリー実験・練習場、ハイパフォーマンスジム及び風洞実験棟の整備工事等々に関わることができたことは、ひとえにJISS・NTCの皆様のご指導、ご協力のおかげだと感謝しております。
JISSに在籍中で心に残っているといえば、やっぱり平成23年3月11日(14時46分18秒)の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)です。その日は、NTCアスリートヴィレッジ南館の増築工事が完成し、建築確認検査を受ける日でした。検査官他建設関係者が現場事務所に集合し、私は、検査会場2列目の窓際の席で座って、さあこれから検査を開始しようとした時でした。仮設事務所が横に揺れはじめ、皆が一瞬静まり返ったかと思うと「地震?」という声が聞こえました。いつもの地震だろうと思っていたところ、段々揺れが激しくなり身の危険を感じたので外に出ました。ところが、地面が大きく左右に揺れて歩くことができないではありませんか。また、周りを見渡すと、「何んだこれは?」アスファルト舗装部がひとつの塊となって動いているではありませんか。その場にしゃがみ込み揺れが納まるのを待ちました。
このような大地震に遭遇したにもかかわらず確認検査は敢行されました。検査中余震もありましたが無事終了し、その後南館は完成し引き渡されました。
仕事以外で特に心に残っていることは、2004年アテネ、2006年トリノ、2008年北京、2010年バンクーバー、2012年ロンドンと5回ものオリンピックが開催され、JISS・NTCを利用する選手達の活躍が見られたことと、それにも増してそこに至るまでの過程で、厳しいトレーニングを黙々とこなしている姿が見られたことで、より身近に感じ応援することができました。これも裏方として施設・設備の保守管理に長く携わってきた賜物だと感じております。
4.JISSで働くことを希望する人に対するメッセージ |
JISSには、現在スポーツ科学研究部(リサーチユニット、ハイパフォーマンスユニット、情報処理・映像技術ユニット、研究・支援協力課)、メディカルセンター(スポーツクリニック、アスリートリハビリテーション)など専門性を有する部門と、運営部(運営調整課、会計課、事業課)など施設を管理運営するさまざまな部門があり、各部門が一丸となって公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)、各競技団体、スポーツ研究機関等と連携して調査・研究を行い、我が国のトップレベルの競技者及びチームの国際競技力の向上を組織的・総合的に側面から支援しているところです。
JISSのどの部門で働くにしても、各部門との連携を密にして目標に向かって一丸となれるチームとして、ひとりの力をみんなの力にできるよう努力してほしいと思います。
5.日本スポーツ振興センターにできること(今後の展望) |
新しい展望としては、2013年9月7日(日本時間8日)に、第125回IOC総会において2020年夏季オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決定したことによって、新国立競技場の建設計画が具体的に動き始めたように感じます。JISS・NTCに関してもオリンピックが決定したことにより、一層社会から注目される場所となり、文部科学省が「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会準備本部」を設置したことにより、将来パラリンピアンの練習の場をJISS・NTCに求められることがあるのではないかと考えられます。FIFAワールドカップも今年ブラジルのリオデジャネイロで開催され、日本代表も参加するなどオリンピック以外にもJSCが深く関わることがいろいろ出てくるような予感がします。このような関わりから、スポーツ以外にも元気を与えられるのではないか期待したいと思います。
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