リラクセーションとサイキングアップ
1. 呼吸法
呼吸法は、リラックスの基本で、やり方は難しくありません。以下の順序で行いましょう。実施時にはこころと身体の状態に意識を向けることが大切です。
- ①吸う:お腹がふくらむように鼻から息を吸い込みます。
- ②吐く:お腹がへこむように口から吐きます。
※吐くときには、吸うときの倍くらいの時間をかけて、ゆっくり吐くことがポイントです。
- ③ ①と②を数回繰り返します。
姿勢は、座っていても寝ていてもOK です。最初は息苦しさを感じるかもしれませんが、すぐに慣れます。これを試合会場で用いるためには、日頃からの練習が必要です。
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座位(左) |
仰臥位(右) |
2.筋弛緩法(漸進的筋弛緩法)
筋弛緩法は、力を入れた後に、力を抜き、力の抜けた感じから「リラックス感」を得ます。筋弛緩をさせる部位は顔、腕、足など様々ですが、ここでは“肩の筋弛緩法”を紹介します。
- ①力を入れる:両肩を首につけるように8 割程度の力を入れます(数秒間)。
- ②力を抜く:吐く息とともに、ストンと力を抜きます。
- ③力の抜けた感じを味わう:肩から指先にかけてじわーっと「力が抜けた」という感覚が得られます。
- “この感じ”が「リラックスした状態」です。
※「顔面に力を入れて、抜く」、「グーを握り、抜く」というやり方もあります。
3.サイキングアップ
気分を盛り上げるためには、心拍や体温を上げることが必要です。まずウォーミングアップによってある程度心拍数や体温を上げておくことが大切ですが、「からだの部位を軽く叩く」、「大きな声を出す」、「速く短い呼吸をする」、「アップテンポな音楽を聴く」などの方法もあります。チームスポーツであれば、みんなで輪になり大きな声を出して、ハイタッチをして気持ちを盛り上げてから試合会場に向かうことなども有効です。
参考文献
『スポーツメンタルトレーニング教本 三訂版 』日本スポーツ心理学会編 pp.87-91, p.250 大修館書店(2016)
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