外部エレベーター
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国立代々木競技場は、竣工時から現在に至るまで日本国内のみならず、海外の人からも高い評価を受けている名建築であり、日本の現代建築を代表する歴史的な建造物となっています。
一方、スポーツ施設としては現代の多様なニーズに対応しきれていない部分もあり、毎年施設の改修を実施し、安全で快適な施設として維持するよう努めています。
2009年度は、高齢者等に配慮した施設のバリアフリー化や、大型映像装置の最新機器への更新を中心とした改修工事を2010年3月までに実施しましたので、その概要についてお知らせします。
工事概要
第一体育館関係
- 外部エレベーター2基の新設
- 身障者用観覧席(車イス席)の新設(南・北各5席)及び身障者用トイレの新設(3 か所)
- 南側更衣室・シャワー室等改修及びドーピングコントロール室の新設
- 室内水泳場出入口及びロビーの改修
- 大型映像装置の更新(放電管式モノクロ映像装置⇒LEDフルカラー映像表示装置)
- 南・北ロビーモニター新設
第二体育館関係
身障者用観覧席(車イス席)
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冷凍機設備の更新(冷凍機の小型化・簡略化)
今回の改修工事では、まずエレベーターの設置や身障者用観覧席、トイレの設置により、高齢者や身障者の方が利用する場合、駐車場から体育館内への移動を容易にするとともに、より使いやすい施設へと整備することができました。
加えて、第一体育館の利用者が売店の利用・休憩等でロビーに移動した際、大型映像装置の画像やアリーナ内の状況を確認できるよう南・北ロビーモニターの新設をするなど、施設を利用する皆さんがこれまで以上に快適に利用できるような改修となっています。
大型映像装置
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また、これまでモノクロであったため利用しにくかった第一体育館の電光掲示盤をフルカラーで映像が流せる最新の大型映像装置に更新することにより、観客の皆さんに迫力のある映像や演出を楽しんでいただくための設備を整えることができました。更新に当たっては、基礎部分の補強など耐震化にも努めており、安全性と機能性を兼ね備えた設備となっています。
その他、第二体育館においては快適な空調環境の提供を図るため、冷凍機設備の更新を行いました。過去に代々木競技場はアイススケート場として利用されていたことから、製氷用と冷房用とを併用した冷凍機のシステムとなっていましたが、これを小型・簡略化することにより、省エネルギー化を図ることを目的とした改修となっています。
以上のように、時代のニーズに合わせ、利用者が利用しやすい機能的な施設とするとともに、日本を代表する建築物でもある代々木競技場の景観・意匠性にも配慮して改修工事を行いました。
今後は、石畳(代々木競技場屋外通路)の凸凹を平らにする平滑化工事などを行い、敷地内を歩行し易くすると共に、車椅子でもスムーズに移動ができるようになります。景観や意匠性にも配慮しながら、さらに使い勝手の良い施設にしてまいります。
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