フットサルコート新設を機に
国立競技場代々木事業課
はじめに
フットサルコート位置図
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国立代々木競技場の園地オリンピックプラザA・Bに、フットサルコート4面が新設されました。フットサルコートの詳細は最後に触れることとし、まず、オリンピックプラザA・Bについてご紹介します。
場所は、敷地内の北西に位置し、広さは、プラザA(北側)が約4,500㎡、プラザBが約2,100㎡の園地です。この敷地に新たにフットサルコートが設置されるまでの間、これまであまり知られていないオリンピックプラザの変遷について、ここでご紹介します。
園地オリンピックプラザA・Bの変遷
バスケットボール競技ウォーミングアップ場(プラザB)
1964年10月「第18回オリンピック東京大会」が開催され、国立代々木競技場の第一体育館は水泳競技会場として、また、第二体育館はバスケットボール競技会場として利用されました。しかし、バスケットボールのウォーミングアップ場が体育館内に無かったため、木製フロアのウォーミングアップ場が屋外園地に設置されました。その後も1967年まで、同様に利用されました。
子供プール公開(プラザA)
子供プール
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東京オリンピック翌年の1965年8月に子供専用プールがオープンしました。滑り台も設置されて大いに賑わい、初年度から1979年度の間では、1日当たり800名~1,200名を超える入場者が続きました。
しかし、1986年には、近隣に子供プールを有したスポーツセンターがオープンし、当プールの利用者数が減少し始めました。
1990年まで25年間に渡って公開されましたが、1991年、第一体育館のアンカーブロック沈下防水工事のため、この年の公開を中止しました。そして、1992年に、子供プールはサブプール(※注 現室内水泳場。メインプールであった第一体育館に設置された水泳競技会場に対する呼び名。)前の中庭に規模を縮小して移設しましたが、移設後のプールも2000年度を最後に営業を終了しました。
屋外球技場(プラザB)
1967年8月、それまで木製フロアのウォーミングアップ場でしたが、フロアをオールウェザー舗装に改修し、利用形態もテニス・バスケットボール・バレーボール・ハンドボール等多目的利用に供する「屋外球技場」として、1981年まで団体利用(単体で団体へ貸出しを行う)に開放されました。
テニスコート2面(プラザB)
テニスコート
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1982年、10月~12月の間でテニスコート2面が新設されました。都心部の中心に位置し利用料も低廉であり、大学のテニス同好会を中心に利用希望者が多く、第二体育館の休館日に予約抽選会が行われるほどの盛況ぶりでした。2002年までの20年間で約60,000団体、利用時間数124,000時間強、利用者数500,000名強が利用しました。
文化的行事(プラザA・B))
1990年にプラザAの子供プールが終了して移設された後、1994年に同園地内で「サルティンバンコ」興行(フジテレビ主催)が初公演しました。その後、2000年~2011年の間、類似イベント興行(サルティンバンコ2000、キダム、アレグリア、ドラリオン、コルテオ、クーザ)等が開催され、大型の特設テントを設置して公演が行われました。
また、芸術性の高かった「アート展」等、様々なイベントも催され、大いに賑わいました。近年では、2010年5月~7月にかけて、財団法人日本サッカー協会が主催(特別協賛アディダスジャパン株式会社)の「SAMURAI BLUEPARK」があります。南アフリカで開催された2010FIFAワールドカップに出場した日本代表チームをファン/サポーターで応援する拠点として使用されました。期間中は、特設のフットサルコートやカフェも設置されるなど、大きな話題となりました。
イベント時の駐車場(プラザA・B)
当場の有料駐車場が狭い上、第一・第二体育館の専用駐車エリアは、国際競技大会や大規模イベント時では、留め置き台数が足りないことから、主催者用の駐車エリアとしてオリンピックプラザのスペースを提供してきました。
革命の広場©JFA |
クーザ会場テント |
フットサルコート新設
これまで国立競技場の施設貸出しに当たっては、スポーツ利用を第一の目的としつつ、支障のない範囲でスポーツ以外のイベントへの貸出しを行ってきました。
しかし近年、興行的イベント等の利用が主流となっていた利用形態を、改めて本来のスポーツ利用の促進に資し、誰もがスポーツに親しめる環境づくりを行うことを目的に貸し出すため、検討を重ねた結果、オリンピックプラザに新たにフットサルコートを設置することになりました。
なお、設置工事は2011年11月1日から12月27日まで行われました。
新設のフットサルコート
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利用開始(プレオープン)
年明け1月5日に、フットサルコートがプレオープンしました。
なぜプレオープンなのかといいますと、受付や更衣室機能を備えたクラブハウスは現在設置に向けた準備中のため、完成までの間をプレオープン期間としました。
クラブハウスがないことにより、利用者の皆様には、仮更衣室(現第5会議室)で着替えていただき、更にシャワー設備もないことから、ご不便をお掛けしていますが、プレオープン以降、徐々に利用が増えている状況です。
なお、グランドオープンは6月1日となります。
仕様
- ショートパイル人工芝1面(38m×19m)
- ロングパイル人工芝3面(38m×19m)
※ ロングパイル人工芝3面をつなげて8人制コート1面(48m×68m)としても使用できる仕様になっています。
利用形態
登録チーム及びビジターの団体利用とします。
- 登録チーム…60日先まで予約可能(登録手数料5,000円)
- ビジター…30日先まで予約可能
最後に
国立代々木競技場のオリンピックプラザは、今回ご紹介したように様々な変遷をたどり、今年新たにフットサルコートになりました。今後、多くの利用者で賑わい、活気づいてくれるとともに、新たに生まれ変わったオリンピックプラザが、フットサルのメッカになることを切に願います。我々としても、利用者のためのフットサルコートであることを念頭におき、管理・運営業務を委託している業者と連携し、よりよい施設運営に努力していく所存です。
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