博物館ニュース 第2号

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日本全国大フィーバー ―東京オリンピック―

 今回は、日本で初めてで、唯一の夏のオリンピック大会が行われた「第18回東京オリンピック大会」の話をしましょう。この大会は1964(昭和39年) 年に、国立競技場を主会場として、東京を中心に横浜・埼玉・軽井沢で開催されました。東京オリンピックといっても、もう36年前の話。36歳の人は生まれ たばかりですから記憶はないし、それ以下の年齢の人は当然知らないことです。

日本選手団のユニフォームの写真
日本選手団のユニフォーム
当時のポスター
ポスター

 日本にとってオリンピックは、20世紀中だけでなく、史上最大のスポーツイベントでした。日本に海外からたくさんの人々が来たのも初めてのことで、何事 も「はじめて物語」でした。オリンピックの開催に合わせ、新幹線は開通するは、高速道路はできるわ、オリンピック史上初めて衛生中継をやるわ、テレビ(ただし、カラー映像はほとんどなく、カラーの時は「総天然色」と呼ばれ、テレビ欄には「カラー」と表示されていました)がほとんどの家庭に普及するわの、日本全国上を下への大騒ぎでした。

表彰台の写真
表彰台

 開会式では、国立競技場の左の入場口から選手団が入場して、芝生を埋め尽くしました。日本選手団は赤いブレザーに白いズボンといういでたちで、最後に入場しました。

 この赤いブレザーには面白い話があります。この当時ですから「日本男子たる者に赤い物を着せるとは何事か!」などどいう抗議がたくさんきたそうです。まだそのような時代でした。ちなみに、このブレザーをデザインした人は、「VAN」(アイビールックを日本で初めて提供したメーカー)を創った 「石津謙介」氏でありました。ですから、博物館に展示しているブレザーを見ると、確かにアイビー調です。みなさんも博物館まで足を運んで実物をぜひご覧く ださい。

 また、1940年(昭和に直したい方は下2桁から25を引いてください)にも東京オリンピック(第12回)を開催することになっていましたが、日中戦争 のために中止することとなりました。このあと第2次世界大戦が始まります。そして、敗戦から20年に満たないときにオリンピックを開催してしまうのですか ら、日本人はスゴイですね。

 さて、国立競技場は1958年にできましたので、造られてから42年が経ちます。色々面白い所がありますので、オリンピックの紹介とともに国立競技場の秘密も、これからボチボチと紹介しましょう。

 

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