バックナンバー
「全国各地で活躍するスポーツ資料3」
お台場「JOCオリンピックパレス」第18回東京大会 その1
秩父宮スポーツ博物館では、多くの皆様に日本のスポーツの足跡をご覧になっていただき、スポーツに対する理解を深めていただくために、全国各地で行われる展示会等に当館の収蔵資料の出品協力を行うなど、さまざまな協力を行っています。
今回は、博物館ニュース15に引き続き、お台場で行っている展示会をご紹介します。
この展示会は、1か月ごとに展示品を入れ替え、オリンピックの関連資料を展示しています。この夏は、3回に分けて東京オリンピックの特集を行っていきます。
なお、秩父宮記念スポーツ博物館では、オリンピックをはじめとした日本のスポーツの歴史的資料を数多く展示しています。ぜひご来館ください。
≪第18回東京大会≫(その1)
アジア初のオリンピック
展示の様子
「天皇陛下のおごそかな開会宣言が、東京・国立競技場のロイヤルボックスから電波に乗って赤道上空3万6千キロのシンコム3号衛星に飛んだ。オリンピッ ク史上はじめてのテレビ宇宙中継である。昭和39年10月10日午後2時57分―まさに世界が一つに結ばれた一瞬であった。…」(毎日新聞昭和39年10 月10日夕刊より)
来年(2004年)、東京オリンピックが開催されて40年という歳月が経ちます。 国立競技場は、そのメインスタジアムとして日本のみならず世界各国の注目を浴びることになりました。
日本は国際的地位の復活を告げ、経済成長によって「カラーテレビ、カー、クーラー」の3C時代に突入しました。
また、東京オリンピックの開催にあわせ、東海道新幹線、首都高速道路の開通、メインストリートの整備、上下水道の整備などの都市の基盤整備が行われました。
それだけではなく、東京オリンピックは「デザインの革命」とも呼ばれています。
はじめて公式ユニフォームに真紅のブレザーが採用されます。このブレザーは、VANを創設した石津謙介氏のデザインです。
それまで「図案家」と言われていた人々は、これを機に「グラフィックデザイナー」と呼ばれるようになり、確固たる地位を築きます。ポスター、プログラム、識章バッジなどなど、ありとあらゆるモノに対し、新進の、そして地位を築き上げた作家、芸術家たちが挑戦しました。
東京オリンピックの参加メダルは、岡本太郎氏がデザインしています。
戦後日本の基盤が、東京オリンピックをキーポイントとして整備されただけではなく、日本のデザインも1964年からはじまったといってもよいでしょう。
<主な展示品の紹介>
第18回東京大会 1964年
- 公式ブレザー(体操/小野清子着用) [デザイン:石津謙介]
- ポスター [アートディレクター:亀倉雄策]
- 識章バッジ [デザイン:河野鷹思]
- 参加メダル [デザイン(表):岡本太郎]
- 各国のオリンピック委員会に送られた招待状 [デザイン:原弘]
- プログラム [デザイン:亀倉雄策]
識章バッジ |
参加メダル |
当時の元気なニッポンをオリンピックから感じていただくため、3回にわたって資料を展示していきます。夏休みに、是非お立ちよりください。
次回は、東京オリンピックのデザインを中心に展示を行う予定です。
|