平成30年度東京オリンピック・パラリンピック競技大会等施設整備助成で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会等競技会場整備事業を行った、神奈川県の調査を実施しました。
今回整備を行った「江の島セーリングセンター」は、利用者アンケートや地元協議会の意見を参考に施設名称が決まり、東京オリンピック・パラリンピック競技大会セーリング競技の運営を担う施設として新設されました。江の島セーリングセンターが位置する湘南港は、1964年に開催された東京オリンピックのヨット競技会場として整備され、以来、日本最大規模の公共マリーナとしてヨット活動の普及に貢献してきました。現在も、年間 100 回以上のセーリング競技大会が開催されています。2018年からは3年連続でセーリングワールドカップシリーズ江の島大会の開催が予定されており、2019年大会は実際に江の島セーリングセンターを活用し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を想定した大会が開かれました(2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により中止)。
整備前の湘南港には、ヨットハウスはありましたが、競技艇のマストを立てたまま入庫し、艇整備や大会時に必要な計測用スペースを確保できる施設がなかったため、今回のセーリングセンターの新設により、東京オリンピック・パラリンピック競技大会だけではなく、国際的な大会を円滑に開催することが出来るようになりました。艇整備庫は、入口扉の高さが10メートルあり、2階まで吹き抜け構造となっています。また、3階には海面監視室も設置され、競技海面の状況把握、アスリートの作戦立案及び海象データの収集が可能になりました。セーリング競技の日本代表候補選手からも、選手が使いやすいヨットハーバーとして完成を心待ちにしていた、と喜びの声があがっています。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーとして、国内外へ日本のセーリング競技会場の認知度が高まることで、大小様々なセーリング競技大会の誘致、利用の増加が見込まれます。また、日本代表候補選手の強化だけではなく、次世代を担うセーラーの育成のため、地域のジュニア団体とも連携して施設利用について検討していきたいと考えています。
塩害を受けやすい環境での維持管理が必要となるため、定期的な点検や修繕費などの財源確保が今後の課題として挙げられます。
引き続き、定期的な保守点検を実施し、日々の適切な維持管理を続けることで、江の島セーリングセンターがスポーツ振興につながる施設として利用されることを期待します。
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助成団体 |
神奈川県 |
事業名 |
セーリングセンター(仮称)整備事業 |
事業細目名 |
競技会場新設 |
助成金額 |
244,006,000円 |
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(写真)江の島セーリングセンターの様子(※写真提供:神奈川県) |
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