「女性競技種目戦略的強化プログラム」を実施

独立行政法人日本スポーツ振興センターでは、文部科学省から委託を受け、「女性アスリートの育成・支援プロジェクト（女性競技種目戦略的強化プログラム）」を実施しています。その対象競技の一つにスケルトン競技が選ばれました。 我々は、他種目を含めた広い競技から新しいスケルトン女子選手を発掘し、短期間で世界のトップレベルに育てあげる「短期間育成プログラム」 を実施します。

スケルトン競技とは

スケルトンは、冬季オリンピック種目のソリ競技のひとつです。選手は頭を進行方向に向け、うつ伏せの姿勢でソリに乗り、コースを滑走しタイムを競います。

最高速度は130km/hにも達します。 ソリを押した姿勢で20～30m助走をして、ソリに乗り込み、コースを滑り降ります。高い速度で助走区間を走ることができるスプリント能力と、滑走中に減速なく滑ることができる巧みな身体コントロール、コース取りの的確な判断力などが求められます。

冬季は国内および海外コースでのトレーニングを多く行い、夏季は一般的なトレーニングをメインに行っていきます。短期間でメダルの獲得を目指すには、年間を通じ計画的で集中したトレーニングが必要です。

【参考】ソチオリンピック、女子スケルトン競技のメダリストの平均値

年齢　25.7歳　身長　173cm　体重　66.3kg

10年以内の短期間で多くの選手がメダルを獲得しており、短期間で世界のトップレベルに到達することが可能な競技です。（文部科学省委託事業「２０２０ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト（タレント発掘・育成コンソーシアム）」調べ）

メッセージ

「あなたのオリンピックへの夢が現実となる競技」

女子スケルトン競技で最も成功している国は、イギリスです。スケルトンが再び冬季オリンピック種目として採用された2002年以降、すべての年でメダルを獲得しています。

私は、そのイギリスチームのヘッドコーチとして2004～2012年まで活動していました。 イギリスチームは、どのように女子選手を発掘したのでしょうか？ 2002～2006年に20歳前後の陸上選手から選手を発掘し、2002年のトライアウトで採用されたShelley Rudman（トリノオリンピック銀メダリスト） とAmy Williams（バンクーバーオリンピック金メダリスト）が、トライアウト数年後に見事メダルを獲得しました。

2009年、UK Sportが女子選手のタレント発掘プログラムGIRLS FOR GOLDを開始し、ここからLizzy Yarnold が発掘されましたが、なんと彼女は乗馬の騎手だったのです。そして彼女は、5年後のソチオリンピックで金メダルを獲得したのです！！

スケルトン競技は、プッシュ（スタートでソリを押しながら走る局面）がとても重要ですから、スプリント（走）力が高くなくてはなりません。同時に、高速スピードに慣れていること、数百分の1秒の間で状況判断できる能力、優れた身体感覚も必要とされます。そして、空気力学と体重です。 あなたの強みをスケルトン競技の重要な要素に活かすことができれば、全てのアスリートが短期間で成功する可能性を持っていると私は確信しています。

今回のトライアウトは、オリンピックメダリストへの大きなチャンスとなるでしょう。ぜひこのチャンスを掴んで、145km/hを超えるスピードのアイストラックを滑走してください！
With very kind regards
Michael Grünberger