写真:アフロ
バランスよく食べるとみなぎるエネルギーを実感
勝負は試合前の調整から始まっている!
北京、ロンドンパラリンピックで2大会連続金メダルを獲得した車いすテニスプレーヤーの国枝慎吾選手。お気に入りのメニューや海外遠征時の栄養補給のコツをお伺いしました。
- 【競技成績(一部抜粋)】
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- 2015年
- 全豪オープン 優勝(シングルス、ダブルス)
- 全仏オープン 優勝(シングルス、ダブルス)
- 全米オープン 優勝(シングルス)
- 2014年
- 全豪オープン 優勝(シングルス、ダブルス)
- 全仏オープン 優勝(シングルス)
- 全米オープン 優勝(シングルス、ダブルス)
主食/親子丼
世界中どこにいても、お米を食べたいですね。ご飯を食べたときの満腹感、「食べた!」っていう実感は、パンや麺にはないですよね。親子丼は海外の日本料理店にも大抵ありますし、丼ものが食べたいときは必ず頼みます。和洋中だと和食を選びますね、海外行ったらまずホテル周辺の和食のお店を探します!
主菜/キムチ鍋
海外遠征から帰国して「何が食べたい?」って聞かれたら夏でもリクエストするくらい、鍋が好きです。鍋料理が週3回でも大丈夫です。家では水炊きを食べることが多いですね。肉は鶏むね肉を入れることが多く、奥さんが栄養バランスを考えてくれています。それから、どんな鍋でも必ず餃子を入れます!!!奥さんも僕も餃子好きで、取り合いですよ!(笑)
副菜/青菜とツナのマスタード和え
こういった青菜系のメニューは必ず食べます。青菜は鉄が豊富ですから、コンディション調整のために積極的にとるようにしています。昔から野菜は嫌いではありませんでしたが、こういう苦味のある野菜は大人になるにつれて好きになった気がします。子供の頃はどこか強制的に食べさせられていたけど、今は自分から好んで食べていますね。
デザート/いちご大福
今の時期いちごが美味しいし、あんこもいいですよね。和菓子派です。この前も、海外遠征に羊羹を持って行きました。試合が終わって心を落ち着けたいときに食べると、「ふぃ~~」ってリラックスできますね(笑)。
食事に関するエピソード
テニスは海外遠征が多いことが競技特性の一つで、遠征時に必ず持って行くのはインスタントのスープ。キムチスープとか卵スープとか何種類か持って行って、そこにカットされた薄いお餅を入れて試合前に食べるようにしています。テニスは前の試合終了時刻によって、自分の試合開始時刻が、3時間後なのか30分後なのか、その時々によって変わります。そのため、前の試合のスコアを見ながら、一番いいタイミングで食べられるようにすぐに用意できるもので糖質補給を心掛けています。
衛生環境がよくない地域に行く時は、お腹を壊さないようにかなり気を配ります。絶対に火の通っていないものは食べないようにして、サラダでも生野菜は選びません。それでも一度、南アフリカで半熟の目玉焼きであたってしまったことがあって、それ以来本当に気をつけるようにしています。
「食」は身体をつくってくれます。例えば、バランスよく食べられている1週間を過ごした後は、自分自身にエネルギーがみなぎっていることをものすごく感じ、身体に力があることを実感します。それから、ただ食べるだけでなく、勝つためには栄養補給のタイミングもとても重要で、僕は試合のある日は常に時間をチェックしています。試合1時間前にフルーツを食べる等、タイミングを意識した栄養補給を心がけています。試合だけでなく、勝負は試合前のそういった準備から、すでに始まっていますね。
インタビュー実施日:2015年12月18日